2012年6月9日土曜日

ワールドサッカーダイジェスト 総括(ブンデスリーガ2011-12)

ワールドサッカーダイジェスト ブンデスリーガ2011-2012 総括 

ワールドサッカーダイジェストの増刊号
『2011-2012 ヨーロッパサッカー・トゥデイ 完結編』からドルトムント関連記事抜粋


ドルトムントへのコメント 
◇「クラブ史とリーグ史を塗り替える大偉業」ー

 ブンデスリーガで叩き出した勝点は史上最多の「81」で、DFBカップとのダブル達成は
クラブ史上初の大偉業。就任4年目のクロップ監督に率いられたチームは、
バイエルンに代わる“新時代の王者”の風格を漂わせながら、これ以上ない戦果を収めた。
一言で表現すれば、歴史を塗り替えたシーズンとなるだろう。
 出足は鈍かった。開幕6試合を終えての勝点(7)は、王者として臨んだチームで史上3番目に
少ない数字。波に乗れないチームはチャンピオンズ・リーグでもつまづき、グループステージ最下位
に沈む。しかし、野心溢れる若きタレント軍団は、次第に息を吹き返していくー。
指揮官が前線からのプレスや運動量で圧倒するという“原点回帰”の徹底化を図ると、
7節のアウクスブルク戦を皮切りに、28戦無敗のリーグレコードを打ち立てるのだ。
 記録尽くめのマイスター殊勲者を挙げれば、それこそキリがない。開幕からゴールを量産した
レバンドフスキも、崩しの局面で大きな違いとなった香川も、攻守両面を支えたフンメルスも
大車輪の活躍を披露。高い組織力をベースに、ピシュチェクとシュメルツァーの両SBや主将ケール
なども大きな貢献を果たした。不満分子が皆無のバックアッパーを含め、総合力で掴み取った
会心の勝利と言えるだろう。


ドルトムント基本フォーメーション 
◇SYSTEM 4-2-3-1

◇オプション
(センターフォワード)レバンドフスキ→バリオス
(トップ下)香川→ゲッツェ、レバンドフスキ
(右サイドハーフ)ブラシュチコフスキ→ゲッツェ、グロスクロイツ
(左サイドハーフ)グロスクロイツ→ペリシッチ
(右ボランチ)ギュンドアン→Sベンダー
(左ボランチ)ケール→ライトナー、ダ・シウバ
(右サイドバック)ピシュチェク→オボモイエラ
(左サイドバック)シュメルツァー→レーベ
(右センターバック)スボティッチ→サンターナ
(左センターバック)フンメルス→なし
(ゴールキーパー)ヴァイデンフェラー→ランゲラク

◇解説
1試合平均のチーム走行距離はリーグナンバー1.
攻守の切り替えが早く、文字通り運動量で敵を圧倒した。
ビルドアップ時はCBのどちらかがワイドに開き、2バック気味のシステムに。


ドルトムント選手へのコメント 
◇『BREAK OUT』(1名)
レバンドフスキ…チームで唯一、リーグ戦での全試合出場を達成。
DFBカップの決勝では、バイエルン相手にハットトリックの離れ業をやってのけた。


◇『GOOD JOB』(4名)
香川真司…周囲を活性化するだけでなく、華麗なドリブルやスルーパスで敵を翻弄。
13ゴールは欧州主要リーグにおける日本人の年間最多記録だ。

フンメルス…クロスをことごとく跳ね返し、水際でピンチを食い止めるシーンも多かった。
広い視野と高度な技術を活かしたフィードも圧巻だった。

ピシュチェク…高い攻撃力を全面に押し出し、SBながら4得点7アシスト。
豊富な運動量も特筆に値。

ヴァイデンフェラー…相変わらず安定している守護神のハイライトは30節のバイエルン戦。
ロッベンのPKを防ぐ。


◇『GOOD SURPRISE』(2名)
ブラシュチコフスキ…ドリブルで右サイドをぶち抜き、正確なクロスやラストパスを連発。
離脱したゲッツェの穴を補って余りある最高の出来栄えだった。

ケール…完全復活を遂げた日韓W杯の経験者。球際での激しい守備も、大胆不敵な
飛び出しからの豪快なヘディングも相手にとって脅威となった。


◇その他(監督含む12名)
クロップ…モチベーターとしても戦術家としても一流で、名将の称号を手に入れた印象だ。
リーグ連覇を成し遂げた監督は過去に7人しかいない。

グロスクロイツ…ストライカー顔負けの鋭いゴール嗅覚を発揮するとともに、
果敢な突破からアシストも。

ギュンドアン…日を追うごとにプレーメーカーとしての才能に磨きがかかり、終盤に見せた働きは
かつての大黒柱、シャヒンに勝るとも劣らなかった。

シュメルツァー…底知れぬスタミナを出し惜しみせず、90分、いや、年間を通して
効果的な上下動を繰り返す。崩しの端緒を開いたプレーは少なくない。

スボティッチ…盟友フンメルスと強固なCBコンビを形成。長い脚をスッと伸ばすボールカットや、
エアバトルの強さが光った。最終節に1アシスト。

ゲッツェ…バイエルンを沈めた一撃をはじめ、前半戦は随所で極上の輝きを放っていた。
恥骨炎の回復が遅れ、17~31節は欠場を余儀なくされる。

Sベンダー…負傷による短気離脱が悔やまれるが、自慢の危機察知能力は健在で、
中盤の底を支えていた。

ペリシッチ…途中出場が大半ながら、チーム3位タイの7得点。
プライベートは香川と親交を深めていた。

バリオス…ファンの慰留に心を動かされ、冬の移籍を封印。
33節にはハットトリックで期待に応えた。

サンターナ…圧倒的な高さと強さを誇り、スボティッチの不在時に代役としての
職務を完璧に遂行した。

オボモイエラ…9節のブレーメン戦では、若き日を彷彿とさせる大胆な攻撃参加から
ゴールネットを揺らす。

ライトナー…的確なパスや確かな技術に明るい将来を感じさせた。
若いながら物怖じしない姿も好印象。



新シーズンMEMO 
◇バリオスの広州恒大(中国)への移籍が決定。移籍金は11億。
退団が決まっている他の選手は、サンターナ、ダ・シウバ、クリンゲの3人で、いずれも新天地は未定。
◇MFロイス(ボルシアMG)、ビッテンコート(2部コットブス)を獲得。
◇香川の移籍で、マンチェスター・ユナイテッド(イギリス)とドルトムントが
移籍金の条件等含めクラブ間で合意。ただし、香川本人は、最終的な合意を、
W杯アジア最終予選3節終了まで控えてたいとの姿勢を示している。


2011-2012ワールドサッカーダイジェスト賞 
◇最優秀選手 ロイス(ボルシアMG)

 本誌が選定したMVPはボルシアMGの至宝ロイス。
昨シーズン、プレーオフの末に辛うじて残留を決めた古豪に、
チャンピオンズ・リーグの出場権をもたらした最大の立役者で、セカンドトップと右サイドハーフを
兼務しながら、リーグ4位タイの18ゴールを叩き出した。敵地でのバイエルン戦で先制点を奪う
など、大一番で輝いた点も高評価の一因。国内随一の権威を誇るキッカー誌の平均採点でも、
リーグトップでフィニッシュした。
 確かにマイスターシャーレには手が届かなかった。しかし、極上のドリブルやシュート、
そしてラストパス駆使しながら、チームを大躍進させたヤングスターはまばゆい輝きを放ち続けていた。
■次点 香川真司(ドルトムント)

 後半戦に目覚しい活躍を見せ、ドルトムントの連覇に大きく貢献した。
悔やまれるのは、本調子ではなかった序盤戦の不出来。
その意味での継続性に加え、得点力や大一番における勝負強さでも、
ロイスへの見劣りが否めなかった。

◇最優秀監督 クロップ(ドルトムント)

 ブンデスリーガを連覇した史上8人目の監督となり、
ドルトムントをクラブ史上初の2冠に導いたクロップが、後続に大きな差をつけてのナンバー1。
序盤につまづいたチームを立て直した“修正力”をはじめ、指揮官として非凡な才を余すところなく発揮した。
■次点 ファブレ(ボルシアMG)

 次点の候補者は少なくない。ここでは、ビッグサプライズを提供したボルシアMGのファブレに
スポットライトを当てたが、ELとの見事な両立を実現させたハノーファーのスムロカ、
フライブルクを蘇らせたシュトライヒなども、賞賛に値する仕事ぶりだった。

◇最優秀ヤングプレーヤー レノ(レバークーゼン)

 特大のインパクトを残したのは、レバークーゼンの若き守護神レノ。相手の動きを
見極めてからセービングに移る能力が高く、チームの窮地を幾度となく救う。
負傷離脱していたアドラーから定位置を奪い、その名手の復帰後もゴールマウスに立ち続けた
事実が、いかに傑出していたかを物語る。
■次点 酒井高徳(シュツットガルト)

 次点は冬の加入ながら、リーグでも指折りのSBとして、その名を轟かせた酒井。
左右両足を器用に使い分けるなど技術の高さに加え、強いパーソナリティも際立った。

ベストイレブン 
◇SYSTEM 4-1-4-1

▽GK
マヌエル・ノイアー(バイエルン)
▽DF
フィリップ・ラーム(バイエルン)
ホルガー・バドシュトゥバー(バイエルン)
マッツ・フンメルス(ドルトムント)
ルカシュ・ピシュチェク(ドルトムント)
▽MF
セバスティアン・ケール(ドルトムント)
フランク・リベリ(バイエルン)
トニ・クロース(バイエルン)
香川真司(ドルトムント)
マルコ・ロイス(ボルシアMG)
▽FW
クラース=ヤン・フンテラール(シャルケ)

■セカンドチーム
▽GK
マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン(ボルシアMG)
▽DF
マルセル・シュメルツァー(ドルトムント)
ダンチ(ボルシアMG)
ゼルダール・タスキ(シュツットガルト)
トニー・ヤンチュケ(ボルシアMG)
▽MF
バスティアン・シュヴァインシュタイガー(バイエルン)
ファン・アランゴ(ボルシアMG)
ラウール・ゴンサレス(シャルケ)
ダニエル・ディダフィ(ニュルンベルク)
マルティン・ハルニク(シュツットガルト)
▽FW
ロベルト・レバンドフスキ(ドルトムント)

◇解説
 1トップは決定機を逃がすシーンが散見されたレバンドフスキではなく、
トップスコアラーに輝いたフンテラールを配置。ロイスと香川で埋まる2列目は、
リーグ3位の9アシストを決めたクロースと、格の違いを改めて見せつけたリベリを推す。
控えに配したが、ラウールとアランゴの両ベテランの活躍も特筆に値しよう。
 DFラインはリーグ最小失点を誇ったバイエルンと、王者ドルトムントから選出。
右SBのピシュチェクを除けば、奇しくもドイツ代表のレギュラーが顔を並べた。
存在感の大きさや失点率を考慮し、最終的にノイアーを配備したGKは、逆境著しい
テア・シュテーゲンの選出でも違和感はないだろう。


管理人MEMO 
以上、ワールドサッカーダイジェストの増刊号『2011-2012 ヨーロッパサッカー・トゥデイ 完結編』から
『ワールドサッカーダイジェスト ブンデスリーガ2011-2012 総括』を引用させていただきました。
海外サッカー総括特集における優秀な「カタログ」本となっていますので、
まだ持っていないという方は、是非手にして欲しい一品です。
内容には、大方納得された方、あるいは、異論反論のある方、など、
人によって受け止め方は様々だと思いますが、参考にはなるかと思います。

あとすいません、前回
「自分で選手やチームの良し悪しを正確に分析できるようになる」ための情報を整理
していきたいとぬかしておりましたが、やっぱりやめます(笑)
関連書籍一つ一つの情報量が多いので、まとめ作業が膨大になるのと、
最近、目の疲労が溜りやすくなっているので、目を意識的に休めさせるためにも、
パソコンの作業時間を減らしたいため、ブログでの情報整理は上記のような簡単な内容を取り扱う
に留めておき、そうした情報は、個人的にノートに整理するなりしておいて、
今後、徐々にブログに反映させていければな、と思っております。


先日読んだ、スポーツライターである木崎伸也さんの『サッカーの見方は1日で変えられる』
はすごく興味深い内容が盛りだくさんの内容となっておりました。
サッカーのプレー経験は少ないけど、試合における90分間の出来事を、
記者、実況解説、選手、監督、スカウトマンといったプロさながらに、
自分の言葉で説明できるようになりたいと思っている方で、
特に、私のように、これから始める、という人におすすめです。
アマゾンでの購入者による商品評価を見たところ、サッカー観戦に慣れている方には
物足りなかったようですが、私は、駆け出したばかりなので、多くの視点をもらうことが出来たと
考えています。

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